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月別アーカイブ: 2025年4月

川満総業のよもやま話~育成~

皆さんこんにちは!

川満総業合同会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~育成~

ということで、型枠工事における人材育成の課題・原因・対策・実践事例までを深く掘り下げ、未来を支える人づくりについて考察します♪

 

【型枠工事の未来を育てる】

深刻な人手不足と、人材育成の在り方とは?

いま、型枠工事をはじめとする建設技能職種の多くが、慢性的な人手不足と技術継承の危機に直面しています。

特に型枠工事は、「力仕事」「高所作業」「精度要求の高さ」「一発勝負」といった特徴があり、若手が入りにくく、定着しづらい現場とされがちです。


なぜ型枠業界は人手不足が深刻なのか?


❶ 高齢化と若手不在の構造

  • 型枠大工の平均年齢は50歳超

  • 若年層(20〜30代)の割合は10%未満という現場も珍しくありません

  • 技能実習生に依存する構造もあり、育成が継続されにくい

📉 技能継承が“断絶寸前”の状態とも言われています。


❷ 体力的・精神的にきつい現場イメージ

  • 高所作業・重作業・炎天下での作業が多く、「危険」「汚れる」「きつい」=3K職場の代表格

  • 難解な構造図や加工図の理解が求められ、初学者にはハードルが高い

💬「こんな仕事、ずっと続けられない」と離れていく若者も少なくありません。


❸ 技術の“見える化”が進んでいない

  • 熟練者による感覚的・属人的な指導が多い

  • 作業の手順・意味・評価基準が曖昧なことも多く、成長実感を持ちにくい

📝 「何をどこまでできれば一人前か分からない」→ 離職の大きな要因です。


型枠工の育成で押さえるべき5つのポイント


✅ ① 図面読解力・計画力を段階的に育てる

型枠工は、ただ板を立てるだけではありません。

  • 構造図・加工図・割付図の理解

  • 数量拾い出しと段取り

  • 他職との干渉調整(鉄筋・配管・電気)も重要

📚 まずはパネル1枚の意味から学ぶステップ教育を整備しましょう。


✅ ② スキルの見える化と社内検定制度の導入

「できること」を可視化し、スキルに応じて評価・昇給することで、成長意欲を引き出せます

例:スキルマップ

レベル スキル内容
Lv.1 道具の名称を覚え、指示通り作業できる
Lv.2 パネル建て込みが一人でできる
Lv.3 加工図の読み取りができ、墨出し補助ができる
Lv.4 立体構造物の割付・加工ができる
Lv.5 加工帳作成・若手指導・現場管理ができる

📈 自分が今どこにいて、どこに向かっているかが分かることが、定着率を高めます。


✅ ③ 教える側の“育成力”を高める

熟練工がいても、「教えるのが苦手」では育成が進みません。

  • 指導の標準化:チェックリスト・動画教材・研修テキストの整備

  • OJT担当者の任命・評価制度

  • 「怒鳴る」から「伝える」へのマインド転換

👷‍♂️ “教える技術を持った型枠職人”が、これからの業界の柱になります。


✅ ④ 外国人技能実習生・特定技能者の育成環境整備

技能実習生は、今後の建設現場を支える大きな戦力。

  • 母国語での作業手順書、用語集

  • 写真付きマニュアル、動画教材

  • 安全教育と生活支援のセット導入

🌏 多国籍の職人を“一つのチーム”としてまとめる力が求められます。


✅ ⑤ “安心して働ける職場”をつくる

  • 社会保険・交通費・手当の明確化

  • 表彰制度、昇格制度、資格支援制度

  • 職長・管理職・独立支援制度の整備

💡「型枠は一生モノの仕事だ」と実感できる環境が、定着率向上に直結します。


現場の成功事例紹介


◆ 事例①:見習い3年で班長へ育成できた評価制度

  • スキルマップ+週1回のミニレビュー導入

  • 年2回の評価面談でフィードバック+昇給

📈 「成長を見てくれる」「評価してもらえる」という実感が定着率を押し上げた。


◆ 事例②:動画教材+iPad導入で外国人実習生が戦力化

  • 加工図・作業手順・道具名称をベトナム語付き動画で学習

  • スマホ・タブレットで反復学習できるようにした

🛠️ 「図面が怖くなくなった」「先に準備ができるようになった」と、3か月で一人作業デビューに成功。


“人を育てること”が、現場を育てること

型枠工事は、建物の精度・安全・仕上がりすべてに関わる、誇りある仕事です。
そしてこの仕事の未来を支えるのは、他でもない“人”です。

  • 技術を「見える化」

  • 評価を「仕組み化」

  • 人を「信じて育てる」

この3つが、人手不足の解消と技能継承の両方を実現するカギになります。

「人がいない」と嘆くより、「人が育つ場をつくる」ことが、今こそ必要なのです。

 

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川満総業のよもやま話~設計~

皆さんこんにちは!

川満総業合同会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~設計~

ということで、型枠工事の設計から施工完了までの流れを、現場で培ったノウハウを交えながら深掘りしてご紹介します♪

 

【型枠工事の真価とは】

設計から施工まで、鉄筋コンクリート構造を支える「型枠」の全工程を徹底解説!

型枠工事は、建築物の“かたち”を作る重要な仕事です。鉄筋コンクリート(RC)構造において、その出来栄えの良し悪しは、型枠の精度と施工技術でほぼ決まると言っても過言ではありません。


型枠工事とは?その役割と重要性


■ 型枠工事の基本的な目的

型枠とは、コンクリートを所定の形状に固めるための「鋳型」です。
設計図通りの寸法・形状・仕上がりにするには、精密な型枠設計と施工技術が求められます。


■ 型枠工事の主な対象

  • 柱・梁・壁・床(スラブ)・階段・基礎・地下構造物

  • ビル・マンション・倉庫・商業施設・橋梁・擁壁など

🧱 型枠がなければ、コンクリート構造物は1ミリも立ち上がらない。
まさに“形を作る仕事”が型枠工です。


型枠工事の流れ ~設計から施工完了まで~


✅ ① 設計図面の確認・拾い出し(墨出し準備)

  • 建築構造図・配筋図・施工図などから型枠の範囲、寸法、高さ、納まりを確認

  • 「拾い出し」と呼ばれる作業で、型枠の必要数量や寸法を算出

  • スラブ、梁、柱の型枠パネル・桟木・サポートなど部材のリストを作成

📐 型枠工事の精度はここで決まる。図面理解と数量把握は最初のキモです。


✅ ② 型枠加工(プレカット・プレファブ)

  • 加工図(割付図)をもとに、型枠材(コンパネ・パネコート・桟木など)を工場または現場で切断

  • プレカットされたパネルを使うことで、現場作業の効率と精度が向上

  • 複雑な納まりや斜め加工が必要な場合は、現場加工が併用される

🔧 「1mmのズレが後工程に大きな影響」を与える。精密加工が重要です。


✅ ③ 墨出しと型枠建て込み

  • 現場にて基準線(墨)を出す作業から始まる
     → 柱芯・壁芯・レベルライン・かぶり厚確保ラインの設定

  • 型枠を順次立て込み、桟木やサポートで垂直・水平を厳密に保持

  • 開口部(窓、扉、配管スペース)や電気設備のボックス埋設なども正確に型枠へ組み込み

📏 この段階で少しでもズレると、仕上がりの精度に大きく影響します。


✅ ④ 締固めと精度チェック(精度=強度)

  • 型枠が組み終わったら、鉄筋と型枠のかぶり厚(通常30~50mm)を確認

  • 型枠同士の隙間を埋め、コンクリート漏れやバリの発生を防止

  • 水準器・レーザー墨出し器を使って、垂直・水平・寸法を再確認

📌 型枠は“構造精度”を作る工程。ミリ単位での施工管理が当たり前です。


✅ ⑤ コンクリート打設

  • コンクリートを流し込む際に型枠が動かないように補強・支保工をしっかり設置

  • 振動棒(バイブレーター)を使って密実にコンクリートを充填

💡 型枠が不十分だと、コンクリートが型から漏れたり膨らんだりして重大事故につながるため、最重要工程の一つです。


✅ ⑥ 養生・脱型・後処理

  • コンクリートの強度が一定値に達したら、型枠を慎重に脱型

  • 脱型時にコンクリート表面を傷つけないよう注意

  • 必要に応じて型枠材の再利用や補修を行う

🧱 脱型後の「仕上がりの美しさ」が、型枠職人の腕の見せどころです。


型枠工事の現場で特に重要なポイント


◆ 精度管理と確認

  • 「寸法」「レベル」「かぶり厚」「垂直・直角」の確認が最重要

  • 誤差は±5mm以内が基準

  • 後工程(配管・内装・外壁)に影響を与えないよう慎重にチェック


◆ 安全管理

  • 高所作業や重量資材の取り扱いが多いため、落下・崩落事故に注意

  • 型枠材の端部処理、サポートの設置方法など、安全教育の徹底が必要


◆ 他工種との連携

  • 配筋工・設備工・コンクリート打設班との事前調整と段取りが成功のカギ

  • 「型枠が終わらないと現場が止まる」ため、スケジュール遵守が最重要課題


型枠工事は「構造物の完成度」を決める根幹の工事

型枠工事は、単なる下地作業ではありません。
それは、建物の精度・耐久性・仕上がりを決定づける“設計と施工の結節点”なのです。

  • 図面を読み解き、緻密に拾い出し

  • 加工・建て込みを誤差なく施工し

  • 精度を維持したまま、次工程へバトンを渡す

この一連の流れが、“一流の型枠工事”の本質です。

 

 

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